【村上春樹さん公開インタビュー発言要旨】魂のネットワークのようなものをつくりたい

【人羅】

（徐々に）魂のネットワークのようなものをつくりたい気持ちが出てきた。みんな自分が主人公の複雑な物語を、魂の中に持っている。それを本当の物語にするには、相対化する必要がある。小説家がやるのは、そのモデルを提供することだ。

【予測】

ドラッガーが、その著作のなかで、リーダーと部下とのコミュニケーションを規定しているのは部下である（つまり部下の能力、意欲にあうコミュニケーションしか伝わらない）と喝破し、旧来型コミュニケーションの限界を示しているのを、新卒2年目の小生はただただ感心して読み、著作に引き込まれた。

村上春樹は、小説にも同じことを感じているようで、それぞれの個人が直面して生きている”物語”を相対化して、感じる機会を与えるのを小説の役割と捉えているようだ。その前提に立つと、小説はまだまだ未熟なサービスであり、ひとりひとりが生きることを作る新しい「形（サービス）」がありそう。